Vol.5:柔軟性とは_4
柔軟性が低下する要因は、これまでに述べた通り、関節の構造上のトラブルが生じた場合、主動筋と拮抗筋の筋力発揮が上手くコントロール出来ない場合、筋肉の伸張性が低下した場合、などが考えられるのだが、特に一般成人における柔軟性の低下は、関節の構造上のトラブルが生じることや筋肉の伸張性が低下することによって引き起こされることが多いといえる。
現代社会においては、運動不足が悪しき習慣となっているが、運動不足による筋力の低下は、関節を構成する組織に負担をかけ関節の構造上のトラブルを引き起こしたり、筋肉の伸張性を低下させることになる。
従って、運動不足は間接的に柔軟性を低下させることになる訳だ。
さらには、運動不足による肥満もまた柔軟性を低下させることになる。
これらのことから、一般成人にとって柔軟性を評価することは、間接的にその人の体力レベルや生活習慣の良し悪しを評価することが出来るといえるだろう。
そのような点から、体力テストの一要素として柔軟性を測定し評価することは非常に意義のあることだといえよう。
さて、柔軟性を高め身体の状態を良好に保つためには、単なるストレッチングのみならず簡単な筋力トレーニングを含む総合的なエクササイズを継続的に行う必要があるといえる。
なぜなら、これまでに述べてきている通り、身体の状態を良好に保つためには、柔軟性に見合う筋力が必要になるからである。
【追記】
現在、様々な情報が氾濫しており「筋力トレーニング」と「ストレッチング」の区別がはっきり理解出来ていない方も多いように感じる。そこで、「筋力トレーニング」と「ストレッチング」の違いについて説明しておきたい。
現在、筋力トレーニングの類に関しても一部では「ストレッチング(ストレッチ)」と称されて紹介されているケースを多々見受けるが、「筋力トレーニング」と「ストレッチング」は異なるものである。
簡単に表現するならば、筋肉を伸び縮みさせながら力を発揮させていくのが「筋力トレーニング」であり、筋肉を伸ばしながら弛緩させていくのが「ストレッチング」であるといえよう。
しかし、例えばダンベルなどを手にした状態で肘を曲げた時には腕の前側の筋肉は力コブが出来ることからもお分かり頂ける通り、縮みながら力を発揮している訳だあるが、腕の裏側(二の腕の部分)は必然的に伸ばされているため部分的にはストレッチング(ストレッチ)されている状態であると考えることが出来る。
これらのことを踏まえて、現在では、筋力トレーニングも一部ストレッチングとして紹介されているケースが多いのではないかと思われる。(但し、ここまで詳しい説明はなされておらず、ストレッチング(ストレッチ)という簡単に出来る言葉のイメージから一般的に紹介されているといえるのだが・・・)