Vol.3:柔軟性とは_2
柔軟性が低下する要因の一つに筋肉の伸張性が低下することが挙げられるが、筋肉の伸張性が低下する原因の一つに筋肉の「短縮」が挙げられる。
個人差があるが、全ての筋肉にはそれぞれ本来持つ生理的な長さがある。
例えば、腕の前側にある筋肉と足の裏側にある筋肉の長さは異なるのである。
筋肉は伸び縮みをしながら力を発揮していく訳だが、筋肉は大きな力を発揮した後やそれ程大きな力でなくても長時間力を発揮し続けた後には、本来持つ筋肉の長さより短くなってしまうという性質を持っている。
本来持つ筋肉の長さより短くなってしまうことを「短縮」と呼ぶことがあるが、筋肉が短縮することは筋肉の伸張性を損なうことになり柔軟性を低下させることになる。
つまり、同じ姿勢の繰り返しや運動不足によって筋肉がある一方向にしか動く機会がない場合は、筋肉が短縮し柔軟性が低下することになる訳だ。
ところで、筋肉は関節をまたいで骨に付着しているのをご存知だろうか!?
筋肉は関節をまたいで骨に付着しているので、ある特定の筋肉が短縮することで、いい換えれば柔軟性が低下することで、ある骨が引っ張られる状態となり身体の歪みを生じさせることになるのだ。
例えば、脇腹の部分には腹斜筋と呼ばれる筋肉があるが、左右どちらか一方の腹斜筋が短縮すると肩の位置が下がることがある。
また、骨盤の周りには多くの筋肉が存在するが、ある一部の筋肉が短縮することで脚が開き気味(つま先が開き気味)になったり、閉じ気味(つま先が閉じ気味)になったりするのだ。
このようないわゆる身体の歪みは時として、多くの身体のトラブルを引き起こす可能性がある。
一例を挙げると、股関節の外旋筋と呼ばれる筋肉群が短縮すると脚が外側に開いた状態になり、このような状態では、本来ならば真直ぐに歩くことすら出来ないことになる。
試しに目を閉じた状態でその場で足踏みをして頂ければ一目瞭然であるが、つま先の開いた方向へと斜めに足踏みの位置がずれてしまうのである。
普段、私たちは目から様々な情報を得ることによって身体の位置や歩く方向を認識し身体を微調整しながら歩いているので、このように身体の歪みが生じている状態でも真直ぐに歩くことが出来る訳だが、歪みが生じている(斜めに進んでしまう状態にある)身体で、真直ぐ歩くためには足の運び方や腰ならびに上半身の捻れなどが不自然な状態となるため膝や腰などにトラブルを引き起こす可能性が高くなるのである。
また、股関節の柔軟性が低下し脚の振り上げ振り戻しがスムースに行うことが出来ない場合は、歩行動作に支障をもたらし股関節の動きの悪さを補うために腰や膝に過度のストレスをかけることもある。
そしてさらには、足首の柔軟性が低下することでも歩行時にスムースに地面を踏み蹴ることが出来ずその代償動作によって膝や腰に負担をかける可能性があり、さらにはその動作の連鎖性から肩の周りの筋肉にも負担をかけ「肩こり」などのトラブルを引き起こすこともあるのだ。
このようなある特定の部位の可動性が悪く、人間の本来持つ動作がスムースに遂行出来ない場合に、他の部位がそれを補ってその動作を遂行しようとすることを「代償動作」と呼ぶが、筋肉の短縮は代償動作を引き起こし身体のトラブルを引き起こす原因になるだ。