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Vol.3:ハートレイトモニターの活用方法 Part1「運動強度の評価」

「脂肪を燃焼させる為には,最大心拍数の60%の心拍数で運動すれば良い」などとよく耳にするように,心拍数は運動強度を示す指標として頻繁に用いられています.
そこで今回は心拍数による運動強度の評価について説明したいと思います.

酸素摂取量について
運動強度と心拍数との関係について理解するためには酸素摂取量について理解する必要があります.そこでまず,酸素摂取量とは何かについて説明していきましょう.
私たちが運動のみならず全ての生命活動を行なう上では筋肉を動かす必要があります.筋肉を動かすためにはアデノシン3リン酸(ATP)がアデノシン2リン酸(ADP)とリン酸(Pi)に分解される際に発生する化学エネルギーが必要であり,私たちの身体は常にATPの分解と産生を繰り返していることは前回説明しました.そして,私たちの身体にはATPを産生するためのシステムが大きく分けて3つあるということも前回説明しましたが,ほとんどの運動を行なう時には酸化系が働いているのです.一見すると酸化系とは無縁のような100m全力走時でさえ,酸化系によるATPの供給が全体の約17%を占めるといわれています.
従って,私たちが行なうほとんどの運動には酸素が必要であり,酸素を体内に取り込む必要性があるという訳です(100m全力走などの短時間高強度運動を行なう時には必ずしも酸素を取り込みながら運動をしている訳ではないのですが).

ところで,私たちは呼吸によって酸素を体内に取り込んでいます.呼吸によって取り込まれた酸素はまず肺で血液中のヘモグロビンと結合し,心臓の働きによって筋肉などの各組織に送られます.筋肉などの各組織にたどり着いたヘモグロビンは,そこで酸素を離し,ATPを産生する過程で生じた二酸化炭素と結合して,肺へと戻ってきます.肺まで戻ってきたヘモグロビンは,二酸化炭素を離し再び酸素と結合し,筋肉などの各組織に送られているのです.
このように私たちの身体の中では肺と,筋肉などの各組織において酸素と二酸化炭素の交換が行なわれているのです.

安静時に心臓から送り出される血液,つまり動脈血1デシリットル中にはおよそ20ミリリットルの酸素が含まれており,筋肉などの各組織から心臓に戻ってくる血液,つまり静脈血1デシリットル中には,およそ15ミリリットルの酸素が含まれているといわれています.この動脈血に含まれる酸素量と静脈血に含まれる酸素量の差のことを動静脈酸素較差と呼んでいますが,この動静脈酸素較差は,筋肉で取り込まれた酸素の量を表していることになります.従って,心臓から送り出された血液の量が分かれば,全身でどれだけの酸素が取り込まれたかを把握することが出来る訳です.
この全身で取り込まれた酸素量のことを酸素摂取量と呼んでいます.

ところで,心臓から1分間に送り出される血液量のことを心拍出量と呼び心拍出量は

一回拍出量×心拍数

の式で表すことが出来ます.

つまり,酸素摂取量は

一回拍出量×心拍数×動静脈酸素較差

という式で表すことが出来る訳です.

運動が激しくなれば激しくなるほど,その運動中の酸素摂取量は増加するのですが,酸素摂取量には各個人に限界点があります.この酸素摂取量の最大限界のことを最大酸素摂取量と呼んでいます.


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