お箸の国の人だから
先日,海外諸国のスポーツ環境やスポーツの在り方を紹介し,今後の日本におけるスポーツの在り方について考えるという某テレビ番組を拝見しました.
皆さまの中にもご覧になられた方がいらっしゃるのではないでしょうか?
私は,職業柄と申しましょうか,以前より海外諸国のスポーツ環境やスポーツの在り方については非常に関心を寄せており,今回も興味深くその番組を拝見させて頂きました.
ドイツなどのいわゆるスポーツ先進国と呼ばれる海外諸国では,国を中心にトップアスリートの発掘・育成を行なうナショナルスポーツセンターや地域に密着したスポーツクラブなどのスポーツ環境が十分に整備され,それらを支援する行政や各機関,産業などが機能的に絡み合い一つのスポーツシステムが確立されています.
そして,そのスポーツシステムを利用する国民はみな,それぞれの価値観に則り実に豊かなスポーツライフを楽しんでいるのです.
日本においても,国立スポーツ科学センターが設立され,また,各地域で地域密着型のスポーツクラブが数多くみられるようになり,スポーツ環境という面においては,海外諸国に追いつきつつあるといえるでしょう.
しかしながら,それらのスポーツ環境を取り巻く,行政や各機関,産業などが機能的に絡み合っているかといえば首を捻りたくもなり,スポーツシステムという面からすれば,まだまだ課題は山積されているといっても過言ではありません.
私は日本では何事においてもシステムが育ちにくいのではないかと考えています.
なぜなら,日本人は「お箸の国の人だから」だと思っているからです.
(かつてこのようなキャッチコピーのCMがありましたね・・・ちょっと古すぎるかな)
欧米諸国では,フォークやナイフ,スプーンといったさまざまな道具を機能的に組み合わせて使い食事をしていきます.
また,ナイフには肉用,魚用,ケーキ用etc.があるように,一つ一つの道具はさらに細分化され,それぞれの用途に合わせて使用していくのです.
つまり,さまざまな道具をそれぞれの用途に合わせ機能的かつ効率的に使用していく欧米諸国の食事は一つシステムになっているのです.
ところが,私たち日本人は,お箸を器用に使って食事をします.
いい換えれば,お箸という道具一つで何でも食べることが出来るんですね.
つまり,食事をする上でシステムが必要ないのです.
こんな習慣の違いが,日本で何事においてもシステムが育ちにくい一つの原因になっているのではないかと思うのです.
近年では,日本においても欧米型の食事が増えてきています.
そんな欧米型の食事を通じてシステムの在り方を学び,システムの確立方法やシステムの使い方を身に付けていくことも,日本のスポーツ界をよい方向に導くための一つの手段ではないのでしょうか?
「たかが食事,されど食事」そう思う今日この頃です.