神様のいたずら?
ご存知の方も多いかと思いますが,女子マラソンの高橋尚子選手がベルリンマラソンに出場することを表明しました.今回の彼女の目標はただ一つ.「世界最高記録」を出すことのみでしょう.
マラソン競技の記録は,コース条件や気象条件などの影響を受けやすく,レース毎にその条件も異なることから,「世界記録」という表記はせず「世界最高記録」という表記を用いていますが,このマラソン競技の世界最高記録がどこまで伸びるかということ,特に男子の世界最高記録が2時間を切れるかということについては,評論家や研究者の間で古くから多くの関心がよせられています.
20世紀において最も認知されていた世界最高記録の予想は,イギリスのロイド博士による「2000年までに男子が2時間2分21秒,女子が2時間14分36秒」というものでした.しかし21世紀を迎えた現在,男女共に世界最高記録はこのタイムに遠く及びません.
このロイド博士の予想はコンピュータを駆使して算出したものであり,反論意見も多かったと聞きます.いずれにしても,21世紀を迎えた現在においても世界最高記録の予想,特に男子の世界最高記録が2時間の壁を超えられるかどうかということには多くの関心が寄せられていることでしょう.
ところで,マラソン競技の起源は,紀元前490年,ギリシャとペルシャの間で起きたマラトンの戦いに勝ったギリシャ兵が,その勝利の知らせを約40q離れたアテネまで走って伝えたことにあるといわれています.そしてこのいい伝えにちなみオリンピックアテネ大会(1896年)で,マラトンからアテネ競技場までの約40qのロードレースが行われたのです.
その後のオリンピックでもマラソン競技は行なわれましたが距離は統一されておらず,およそ40kmくらいの距離で行なわれていたようです.
そして,現在の距離である42.195qでマラソン競技が行なわれたのはロンドン大会(1908年)のことでした.ロンドン大会で,なんとも半端なこの42.195kmという距離が採用された理由には多くの説が存在しているといわれています.もともとは26マイル(41.834km)を採用しようとしていたが,イギリス王室関係者の要望で,どこかの城の前をコースに入れたため伸びてしまったとか,これまたイギリス王室の要望で,ゴール地点を競技場内の王室席の目の前に設定したため距離が伸びてしまったとか,さまざまな説を耳にします.
いずれにしても,1921年に国際陸上競技連盟によって,このロンドン大会のマラソン競技の距離42.195kmが正式なマラソン競技の距離として定められたのです.
私は,これは「神様のいたずら」なのではないかと思えてしょうがないのです.なぜかというと,もともとはイギリス王室のわがままであろうが,なんであろうがこの42.195kmという半端な距離がマラソン競技の距離として設定されるに至ったのは,とても人間の理屈だけではないような気がするからです.
だって40kmでも,26マイルでも,「きりのよい」距離でいい訳じゃないですか!それがなんでまた42.195kmなんでしょうか・・・?
仮に,マラソン競技が26マイルや,40km,42kmだとしたら,ロイド博士の予想もあたっていただろうし,20世紀中に2時間の壁も超えられていたのではないかと思うのです.それもみな神様のちょっとした気まぐれというかいたずらなのではないかと・・・.
いずれにしても,この42.195kmという神秘的な距離が,人々の予想も狂わせ,また人々の心を魅了するのではないのでしょうか?
たまには,科学や理論といった現実的な世界から離れてスポーツを考えてみるのもよいかなと思う今日この頃です.
追記:世界最高記録目指してがんばれ!Qちゃん!!