修士論文題目:
持久的走運動中における走速度の切り換えと血中アンモニア濃度の変化
修士論文概要:
近年における長距離走競技は,競技後半部において走速度を切り換え,高いパフォーマンスを発揮することが成功を収める為の要因であると考えられる.
持久的パフォーマンスに影響を及ぼす要因は,これまでに多くの研究によって検討が行われているが,運動時に産生されるアンモニアも疲労,すなわちパフォーマンスの低下を引き起こす要因の一つであることが示唆されている.
そこで本研究では運動時に産生されるアンモニアが,持久的走運動中における走速度の切り換えに影響を及ぼすという仮説をもとに,走速度の切り換えを伴う持久的走運動中における血中アンモニア濃度の変化について観察し,血中アンモニア濃度と持久的パフォーマンスおよび走速度の切り換え能力との関係について検討した.
本研究の結果から,持久的トレーニングを日常的に実施しているヒトにおいては,運動強度の増加すなわち走速度の上昇に伴う血中アンモニアの応答は少ないことが認められ,特に末梢では運動時に産生されるアンモニアが直接的に走速度の切り換え,すなわちパフォーマンスに及ぼす影響は少ないことが示唆された.しかしながら,本研究で用いた運動プロトコールが走速度の切り換え能力を検討する上で十分ではなかったことは考えられ,今後さらなる検討が必要であると考えられる.